塚本康浩教授プロフィール

塚本 康浩  獣医師・獣医学博士

経略

1968年
京都府生まれ
1994年
大阪府立大学農学部獣医学科卒業。
1996~97年
カナダ・ゲルフ大学獣医学部 客員研究員
1998年
大阪府立大学大学院農学部生命科学研究学科 博士課程 獣医学専攻修了
大阪府立大学 同研究科の助手就任
1999年
ダチョウ牧場「オーストリッチ神戸」のダチョウ主治医に就任し、 本格的なダチョウ及びダチョウ抗体の研究を始める。
2005年
同大学 講師、准教授に就任
2008年
京都府立大学大学院生命環境科学研究科教授に就任
同年6月
京都府立大学発ベンチャー
「オーストリッチファーマ株式会社」設立
ダチョウの卵から抽出した抗体を用いて新型インフルエンザ予防のためにマスクを開発。以後もダチョウ抗体を利用したさまざまな研究(ガン予防・美容など)に取り組む。
2009年
産学官連携推進功労賞表彰「文部科学大臣賞」受賞
2011年
関経連 関西財界セミナー 特別賞 受賞
2012年
日本バイオベンチャー大賞「フジサンケイビジネスアイ賞」受賞
塚本康浩教授写真

研究タイトル

ダチョウを用いた新規有用抗体の低コスト・大量作製法の開発
がん細胞における細胞接着分子の機能解明とその臨床応用化、高病原性鳥インフルエンザ防御用素材の開発

研究の内容

創薬や診断をはじめ幅広い分野への展開が期待されるポストゲノム研究において、抗体の活用は極めて重要なテーマである。
しかしながら、マウスやウサギなどの哺乳類類を用いて抗原特異的抗体を創製する従来法には、生産性と特異性等に関わる課題が存在していた。そこで、超大型鳥類であるダチョウを用いて新規有用抗体を低コストで大量に創作し、ロット間差の少ない研究用試薬、診断・検査キットの開発を行っている。
特に肺癌、鳥インフルエンザ、BSEの検査キットや鳥インフルエンザH5N1ウィルスの防護用素材の開発を重点的に行っている。
また、鶏より見出した細胞接着分子ギセリンの発生・再生・腫瘍における機能解析を行っている。
特に、がん細胞の転移をギセリンの発現と細胞接着能(細胞-ECM)を中心に研究している。

学術発表

第55回日本ウィルス学会学術集会

  • ダチョウ卵黄を用いた高病原性鳥インフルエンザウィルス不活化抗体の工業的大量作製の試み
  • 大阪府立大学 大学院 生命環境科学 研究科 獣医学専攻 塚本 康浩 准教授
  • (現)京都府立大学 大学院 生命環境科学研究科 教授
  • 早稲田大学教育総合科学学術院 並木秀男教授
  • 国立感染症研究所 免疫部 横田恭子室長 共同発表
  • PDFPDFファイル(300KB)

日本臨床内科医学会

  • 新型インフルエンザについて
  • 独立行政法人国立病院機構 九州医療センター名誉院長 柏木 征三郎先生
  • (日本臨床内科医会インフルエンザ研究班特別顧問・元九州大学医学部感染環境医学教授)

日本獣医学会発表資料

  • インフルエンザウィルスに対するダチョウ抗体作製と有用利用への試み
  • 大阪府立大学・獣医解剖学教室
  • 足立和英、高間健太郎、尾崎真由美、福田恵子、遠藤惟佐子、塚本康浩
  • PDFPDFファイル(984KB)

受賞歴

平成24年2月29日
第7回 日本バイオベンチャー大賞
「フジサンケイビジネスアイ賞」 受賞
http://www.fbi-award.jp/bio/past/7th.html
平成23年2月10日
第7回関西財界セミナー賞「特別賞」
平成21年6月20日
平成21年度産学官連携推進功労者表彰・文部科学大臣賞
平成21年6月19日
平成21年度京都府立公立大学法人教職員表彰
平成21年6月19日
平成21年度京都府特別表彰

塚本教授について

1968年 京都府産まれ。
京都府立大学大学院生命環境科学部動物衛生学研究室 教授であり、獣医師でもあり獣医学博士でもある。
小さい頃から大の鳥好きで小学生の頃にスズメ・インコ・ニワトリなどあらゆる鳥を飼い始める。小学校6年生のとき、かわいがっていた桜文鳥を自分の不始末で死なせてしまったことがきっかけで獣医の道を目指した。大阪府立大学農学部獣医学科に進学後はニワトリの研究に没頭する。1994年に大阪府立大学農学部獣医学科を卒業し、1998年から世界一大きな鳥「ダチョウ」に憧れて観察をし始め、ダチョウ牧場「オーストリッチ神戸」のダチョウ主治医に就任し、そこでダチョウの免疫力の高さに気付き本格的なダチョウ及びダチョウ抗体の研究を始める。1999年には、大阪府立大学大学院農学部生命科学研究科博士課程を修了し、同研究科の助手に就任する。家禽(食肉・卵を得る目的で飼う鳥類)のウィルス感染症の研究に着手する。
2008年、40歳という若さで京都府立大学大学院生命環境科学研究科の教授に就任。
同年、ダチョウの高い抗体の能力を商品化するため抗体の大量生産体制を整えた。また、JSTの「独創的シーズ展開事業大学発ベンチャー創出推進」に採択され、本格的に事業展開するための企業「オーストリッチファーマ」を設立し、ダチョウ抗体の商品化に向けて乗り出した。
会社設立直後、ダチョウの卵から抽出した抗体を用いた新型インフルエンザ予防のための「ダチョウ抗体マスク」を企業と共同開発。高病原性の鳥インフルエンザがヒトへ感染するようになり新型インフルエンザとして流行った場合、それに対抗できるワクチンを事前に用意することは不可能である。同時にワクチンを作り注射したとしても効果が出るまでには2週間以上はかかる。最悪の場合それまでに命を落とす場合もある。こうした心もとない現状を改善できないかと開発に至った。
ダチョウ抗体マスクは2008年8月の発売と同時に多くのメディアから注目を浴び、新型インフルエンザの流行が注目をあびていた時期とも重なり好調な売れ行きをみせた。2008年の発売開始から3年間で100億円を売り上げるなど現在も風邪の時期には欠かせないものとして今もなお世間の役に立っている。大好きな鳥で人類を救う第一歩となった。2011年には「関西経済連合会関西財界セミナー賞特別賞」も受賞した。
「ダチョウによる新たな抗体大量作製技術を用いた鳥インフルエンザ防御用素材の開発」が大学、公的研究機関、企業等の産学官連携活動において210億円の経済効果130人の新規雇用の創出に成功という大きな成果を収め、また先導的な取り組みを行う等、産学官連携の推進に多大な貢献をした。その功績を称えられ、2009年に「文部科学大臣賞」「京都府知事特別表彰受賞」を受賞する。

この開発をもとにダチョウ抗体を利用した食中毒予防、がん治療薬、美容などの研究に取り組んでいる。抗体マスク以外に開発された商品は、ダチョウ抗体を納豆のタレに混ぜた「抗体納豆」、空気清浄フィルターに活用して「ウィルス対策用空気清浄抗体フィルター」、アトピーの原因菌としても知られる黄色ブドウ球菌抗体を配合させた肌に塗る「オールインワンジェル化粧品」などがある。